東京へ来てから初めてのバイト

人生はじめてのひとり暮らし。東京へやってきてバイトを探すも、新しい職場はなかなかハードで1ヶ月で辞めたくなりました。人生いろいろです。
桃沢もちこ 2023.11.30
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冷蔵庫のすぐ側にデスクトップのパソコンを置いているのだけど、フワーンフワーンフワーンフワーンフワーンフワーンフワーンフワーンフワーンフワーンフワーンフワーンという稼働音がいつも気になる。仕事をしてても、本を読んでても、こたつに潜ってても。一定のリズムで鳴り響くこの妙な稼働音は泣き声のようにも聴こえてきて、やたらとかまってほしそうなのだ。冷蔵庫がかまってほしがってると思ったら腹が立つし耳を傾けていると別の時空に吸い込まれそうになる。吸い込まれた先に銀河の果てを思い浮かべ、こんなわたしを真っ黒な宇宙に放り込んでこいつはどうする気なんだろうと考える。

こんなうるさい冷蔵庫と共に暮らし始めてはや3ヶ月。わたしは海と山に囲まれた神奈川の田舎町から東京へやってきた。東京でひとり暮らしなんてできるのだろうかと、引っ越す前は不安で仕方がなかった。

そもそも家賃を払えるのだろうか。いや払えないか。なけなしの貯金を食いつぶしながらバイト先を探すことに。30歳バツイチはじめてのひとり暮らし。

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